液体樹脂(アクリル)|樹脂の涙

 樹脂の涙とは

樹脂の涙は、常温で液体の状態を保持する樹脂の液体です。媒体液が気化した後は純度の良い樹脂成分が固化します。「樹脂の涙」はPMMA(アクリル)の透明な透き通った液体です。

プラスチック製品のものづくりにおいて、「そのものの素材だけで製作したい」「透明感のある加工をしたい」といった声が聞かれます。
そこで、特殊なブレンド液を媒体に熱可塑性樹脂材を常温のまま液体化し、極力環境害の無い媒体を使うというコンセプトの中「樹脂の涙シリーズ」を開発しました。

液体樹脂(アクリルやポリカーボネート)|樹脂の涙

技術解説

PMMA(アクリル)樹脂は、吸水性の高い素材です。
「樹脂の涙」をパーツにワークする際、液体~固化する過程で湿度(水分)を吸収すると白化、クラックの要因となり、透明感のある施工が出来ません。

これは、射出成形の技術にもある通り「予備乾燥工程」で、水分率を0.02%以下にして物性の低下を防止する目的と同じです。
※詳細、各樹脂材の吸水特性は、 射出成型、押し出し成形等の成型条件をお調べ下さい。

よって「樹脂の涙」を使用して製作する際は、パーツ材料の充分な「予備乾燥」と、低湿度環境を整えて行って下さい。きれいに透明のまま固化させるには「予備乾燥」と「湿度の少ない環境」が重要です。また、簡単に乾燥が行える乾燥キットもご提案いたします。

「樹脂の涙」製品紹介

液体樹脂(アクリルやポリカーボネート)|樹脂の涙

製品の特徴

「樹脂の液体」樹脂の涙SA-1は、アクリル(PMMA)樹脂成分と特殊な溶媒液を混合させ、常温下にて液状にした製品です。溶媒が気化する事により純度の良いアクリル固体となりますので、様々なアイディアのもとプラスック製品の製造工程にお使い頂ける製品です。

活用例

樹脂の涙SA-1の活用事例として、主にアクリル切断面の透明化のために使われることが多いです。詳しくは以下の事例をご覧ください。

使用上の注意と予備乾燥

  • 樹脂の涙SA-1は、液状から固化する過程で少なからず湿度の影響を受けます。この過程で、ワーク乾燥が不十分な際、高湿度の影響下では白く濁る可能性があります。
  • 射出成形時の工程でもありますように、プラスチック材本体を温め吸湿された水分を極力抜く事により、施工部分に透明感のあるアクリル樹脂が形成されます。
  • また、施工前に樹脂の涙SA-1を人肌程度に温める事により、固化過程での吸湿の影響を抑える効果はありますが、引火性液体ですので火気には十分注意して下さい。

吸水曲線グラフ(乾燥温度100℃)

吸水曲線グラフ(乾燥温度100℃)

当グラフは樹脂素材の吸水率。樹脂の涙SA-1の乾燥時間ではありません。樹脂の涙SA-1の固化時間は質量により異なります。

  • 荷姿:100㎜ℓ入り 硝子ボトル(キャップブラシ付)
  • 危険物 第4類第1石油類 引火性。 目や気道を刺激する恐れがあります。作業にはメガネ、保護具をお使い下さい。
  • 廃棄 産業廃棄物処理法に基づき適正な処理業者へ委託して下さい。
  • 本製品詳細取扱いはSDSを参照して下さい。

Q1 使用方法・硬化時間を知りたい
A1 対象物を充分乾燥(アニール処理)させ、本品付属のキャップ付ブラシにて塗布し、室温45℃・湿度10%以下の環境で2~3時間で硬化します。上記条件下で使用しない場合は透明に硬化しません。

Q2 膜厚はどれくらいですか?
A2 塗布方法にもよりますが、硬化後最大1mm程度です。

Q3 スプレー、浸漬等で使用できますか?
A3 粘性がありますのでお勧めできません。

Q4 切削加工傷・加工痕は消せますか?
A4 消すこと自体は可能ですが(表面が)平滑にはなりません。

Q5 お勧めされない使用用途はありますか?
A5 アクリル以外の樹脂、注型、金属・木材・液晶画面等のコーティングにはお使いいただけません。